19.とりあえずエクセルで簡易シミュレーションしてみたら、必要老後資金は2500万円だった。

このブログの発端は、老後のお金についてのフィナンシャルプランナーの計算方法を見て、シミュレーションが適切なのか不安を抱いたことだった(https://mfworks.info/2018/09/09/post-131/)。

そこで、これまで、フィナンシャルプランナーの計算の前提条件となっている年金額や生活費の考え方が適切かどうかについて調べてきた。ここからは、老後に必要なお金(老後資金)を、これまで調べてきた結果を基にして、自分で計算していきたい。

まずは、エクセルで簡単な計算式を立てて、エクセル表を使った簡易的なシミュレーションからスタートすることにした。

計算は、いろいろと条件を変えてシミュレーションしたかったので、エクセルの表計算を使うことにした。

最初は、一般的に言われている必要な老後資金3000万円とか3500万円を自分なりに検証することにした。

作成したのは、下のような形のエクセル表。

統計データと対応させるため、収入は年金などの社会保障給付とその他に分け、支出は税金などの非消費支出と消費支出に分け、それに介護支出の項目を加えた。

(なお、下表の入力数字はサンプル数字、3年目~23年目の部分は省略した。)。

使用したエクセル表の一例

2019年 2020年 中略 2042年 2043年
年目 1年目 2年目 24年目 25年目
年齢 66歳 67歳 89歳 90歳
収入 社会保障給付

(年金など)

2,302,560 2,302,560 2,302,560 2,302,560
その他収入 207,816 207,816 207,816 207,816
合計 2,510,376 2,510,376 2,510,376 2,510,376
支出 非消費支出

(税金、社会保険料)

338,880 338,880 338,880 338,880
消費支出 2,825,724 2,825,724 2,825,724 2,825,724
介護

支出

夫介護 0 0 948,000 948,000
妻介護 0 0 948,000 948,000
消費支出減 0 0 360,000 360,000
合計 0 0 1,536,000 1,536,000
合計 3,164,604 3,164,604 4,700,604 4,700,604
収入合計-支出合計 -654,228 -654,228 -2,190,228 -2,190,228

この表を使って、簡易シミュレーションしてみた。

前に調べた週刊朝日の記事では、必要老後資金を3500万円とし、内訳は生活費不足1640万円、医療費200~300万円、介護費用(2人分)1100万円だった

https://mfworks.info/2018/10/25/post-139/)。

上記の生活費の不足額は、高齢夫婦無職世帯の家計収支の不足分54,519円の赤字という統計資料の数値をもとに、単純に25年間(65歳~90歳)を掛け算したものだった

根拠となった統計資料の家計収支は、以下の金額だった(毎月、単位;円)。

表1

収入 支出
社会保障給付 その他収入 非消費支出 消費支出
191,880 17,318 28,240 235,477

しかし、調べてみると、高齢者と言っても、年齢が高い方が収入は少ないが、支出も少なくなり、赤字額が大きく減少することが分かった(下表、https://mfworks.info/2019/03/04/post-543/)。

表2

世帯主年齢(歳) 収入 支出
社会保障給付 その他の収入 非消費支出 消費支出
66~69 180,872 40,566 32,016 264,661
70~74 182,596 24,056 29,292 243,416
75~90 180,734 20,290 24,747 214,151

(毎月、単位;円)

また、介護費用は、一人平均約月7万円、平均介護期間は約5年間だったhttps://mfworks.info/2019/01/19/post-146/)。

調べた条件で必要な老後資金を試算することにした。

計算のために、高齢者世帯を以下のように設定した。

(1)現在66歳の同い年の夫婦で、二人とも90歳でなくなる。

(2)毎月の収入と支出は、上記の表2とする。

(3)最後の5年間(介護の平均期間)、86歳~90歳は二人とも介護が必要になる。

(4)介護の5年間は、それまでの支出の一部は介護費用で賄われたり、不要になると考え、介護期間中の消費支出は月3万円削減される。

これらの条件を、エクセル表を入力して計算した。

実際のエクセル表は大きすぎて省略したが、結果は、年金収入だけでは、2,253万円の赤字、つまり、不足する老後資金は2,253万円だった。

週刊朝日の計算では、生活費と介護費用を合わせて、2,740万円だった。

今回の計算結果は、約500万円少なくてもよいという結論になった。

なお、週刊朝日の計算では、さらに、医療費2~300万円を加えて、合計約3,000万円必要という結論だった。

上記2,253万円には、消費支出分に医療費が含まれているが、別に医療費2~300万円必要と考えれば、今回の試算では、2,500万円程度が必要な老後資金となる。

ところで、60歳以上の貯蓄額は平均値で2,385万円、中央値では1,567万円という調査結果がある(https://mfworks.info/2019/02/16/post-168/)。

平均値で考えれば、老後資金の不足は、貯蓄でほぼ補えるという結論になる。

一方、中央値の場合には、2,500万円-1,567万円、つまり、約1,000万円不足する。

老後資金不足には、どうすればいいか?

収入が増える見込みがなければ、結局は支出を減らすしか手立てがない。

介護生活に入る86歳~90歳までの5年間は生活費を削減することは難しいと思うので、

その前の66歳~85歳までの20年間の支出額を減らしたいと考えてみる。

20年間で支出を1,000万円を減らすためには、単純には年50万円、毎月にすると4万円程度の支出削減が必要になる。

そうなると、66歳~69歳は、消費支出を 月23万円以下、70歳~74歳は月20万円以下、75歳~85歳の間は、月18万円程度で暮らせるかどうかということになる。

ここまでは、統計資料の平均値をもとに必要な老後資金を計算したが、採用する統計データによって、500万円の差が出てきた。

ただし、以上の計算は、いずれも、現在の状況が今後25年間続くという大前提の上でのシミュレーションである。

しかし、今後25年間のあいだ、社会がこのまま変わらないとは思えない。

むしろ、大きく変化すると予測されている。

年金の給付レベルは下がり、税金や社会保険料は上がり、さらに消費税、医療費も上がっていく可能性が高いとすれば、しかも、その変動が大きいとすれば、上記の計算結果は数字の遊び、あくまでも参考値と考えておいた方が無難と思われる

https://mfworks.info/2018/12/20/post-593/ https://mfworks.info/2019/01/04/post-791/)。

次回は、将来予測も考慮して、老後資金のシミュレーションした結果を紹介したい。

読んでいただき、ありがとうございます。

最後に、元気が出る1曲、シャキーラ(Shakira)の”WAKA WAKA”

シャキーラは南米コロンビア出身

https://www.sonymusic.co.jp/artist/Shakira/profile/ http://www.shakira.com/)。

フェイスブックのフォロワーは1億人近い(https://www.facebook.com/shakira/)。

この曲は、2010年FIFAワールドカップ・南アフリカ大会の公式テーマソング。

題名の”WAKA WAKA”は、「輝き(shine)」の意味だとか。
https://ramolife.exblog.jp/10907775/ 歌詞 http://kaigaimusic.jp/archives/400

Shakira – Waka Waka (This Time for Africa)

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