”人は誰でも最後は一人” ~ひとり老後の準備として、何を考えておこうか~ ひとり老後があたり前の時代がやってくる!

国立社会保障・人口問題研究所が公表した2040年の世帯数の将来推計からは、20年後には”ひとり老後”が特別でない時代がやってくると予想される。

年齢を重ねても幸せに過ごすためには、”お金”と”時間の過ごし方”の2つの準備がポイントになると思われる。”ボケ”る前から準備を始めよう。

“ひとり老後”が、あたり前の時代がくる!

国立社会保障・人口問題研究所が公表した世帯数の将来推計によれば、2040年には65歳以上の世帯の約40%はひとり暮らしとなり、東京都でみると45%を超える世帯がひとり暮らしになるということである。

高齢者が“ひとり暮らし“となる理由やその確率は、統計資料をもとに、いろいろな観点から調べてきた(https://mfworks.info/2019/12/26/post-1605/ https://mfworks.info/2020/01/22/post-1645/)。

結論は、女性の場合は、夫との“死別”が“ひとり暮らし”になる主な理由だった。

しかし、男性の場合は、女性と比べて“ひとり暮らし”となる確率は低く、また、妻との“死別”と並んで、“未婚“が”ひとり暮らし“である理由の割合が高く、男女で違いが見られた。

将来推定では、2040年には、男女とも“未婚”が理由の“ひとり暮らし”の割合が急速に増加すると予測されている。

そうなると、“結婚”するのが当然で、未婚でいることが特別なことという考え方は時代遅れで、20年後には“ひとり暮らし”(ひとり老後)があたり前の時代が目の前に迫っているということになる。

“ひとり老後”を幸せに過ごすために必要なことは?

2020年3月4日の朝日新聞に“一人暮らし健やかに”という記事があった。

記事には、内閣府の“一人暮らしの65歳以上の幸福度”調査(2014年)の結果を解析した函館函館大学元准教授大橋美由紀さんの見解が紹介されていた。

大橋さんによれば、幸福度と関係する要因は、以下の3つという。

1.身体的・精神的な健康状態が良いこと

2.会話が毎日あること(会話頻度は外出機会が多いほど多い)

3.経済的な暮らし向きに心配がないこと

これらのことは、高齢になると、以下のような不安の裏返しではないだろうか。

1.身体的にも気持ち的にも衰えていく

2.孤独を感じる

3.収入や蓄えが十分でないと感じる

1の身体的な衰えは、誰にも抵抗できないことである。本質的に解決のしようがない。

2の孤独も、身体的衰えで外出がままならない状況や、会話できる相手が亡くなるなどで会話の機会が失われていくことが原因と思われ、実質的には1と関係しているように見える。

3は、将来動けなくなり、介護してもらわなければならなくなった時に、お金が足りなくなるのではないかという漠然とした不安もあると思われる。これも1と関係しているように見える。

これの不安は、結局は、“長生きリスク”から来ていると言えるのではないか?

自分の足で歩けなくなっても、なお何年も生きていかなければならない時代にきている。

そうした時代に一番心配になることは、結局は、“お金”のことと、“時間の過ごし方(潰し方)”の2つになると思われる。 

これらの不安をできるだけ解消しておくことが、“ひとり老後”を幸せに過ごすことに必要と言えるのではないだろうか。

“ボケ”る前に、“ひとり老後”の準備を始めよう

“お金”のことも“時間の過ごし方”も、どちらも高齢になってから取り掛かるのが難しいことである。そして、どちらも、準備に時間がかかる。

“お金”といっても、収入や貯蓄だけでなく、終の棲み家をどうするかということも含まれる。

“終活”という言葉があるが、葬儀、お墓、相続などについて、自分の考えを反映させたいなら、こうしたことも含まれる。

“マネー“というより、お金を含めた資産管理といった方が適切かもしれない。

“お金”のことは、“ボケたらできない”ことである。

“時間の過ごし方”は、未婚者にとっては、“お金”より先に切実な問題になるかもしれない。

会話して一緒に時間を過ごせるような人間関係を作るには、それなりのエネルギーと期間が必要だろう。

そして、“ひとり“でいる時間になにをして過ごすのか、趣味といっても、楽しく時間を過ごせるようになるまでには、同じく、それなりのエネルギーと期間が必要だろう。

“ひとり老後”が当たり前の時代がもうそこにやってきている。

それに伴って、価値観が変わり、国の制度や生活環境が大きく変化していくと予想される。

世の中の変化が理解できないと、ピントはずれになってしまう。“ボケた”からでは遅い。

“ひとり老後”の準備をするなら、“老いた”と自覚した時がスタートのタイミングかもしれない。

最後に1曲、Mr.Children ”しるし” ( 印 記 )

Mr.Children – しるし ( 印 記 )

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