老後資金を計算する場合にまず考えるのは、いくつまで生きることになるのかという疑問。現在の平均寿命は男性８２歳、女性８７歳。癌や心臓疾患等を除いても延びは２年弱。２０６５年は男性８５、女性９１の予測。現在１００歳以上はわずか７万人。寿命は９０歳か９５歳と見れば十分。人生１００年時代は来るとは思われない。

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現在の寿命は？

日経スタイルと週刊朝日の記事の老後資金の計算での寿命の前提は、９０歳または９５歳となっている（https://mfworks.info/2018/10/25/post-139/）。

人生１００年時代といわれ、政府の人生１００年時代構想会議（https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/jinsei100.html）というのがあるが、本当に１００歳まで考えて老後資金を準備しなければならないのだろうか？

そこで、現在の平均寿命を調べてみた。

平成２９年簡易生命表によると、

平均余命は、男性の平均寿命は８１．０９年、女性の平均寿命は８７．２６年である。（平成２９年簡易生命表の概況　平均余命　https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/index.html）。

ただし、平均なので当然個人差がある。

簡易生命表には、ある年齢まで生存する人の割合も記載されている。

６５歳まで生存する者の割合は、男性８９．４％、女性９４．５％、

７５歳まで生存する者の割合は、男性７５．３％、女性８８・１％、

９０歳まで生存する者の割合は、男性２５．８％、女性５０．２％ある。

また、生命表上で、出生者のうちちょうど半数が生存すると期待される年数を「寿命中位数」というようだが、

平成２９年の寿命中位数は、男性８４．０８年、女性９０．０３年となっている。

一方、１００歳以上の高齢者は、６万９７８５人、そのうちの女性が８８．１％という新聞記事がある（『１００歳以上、最多６．９万人＝４８年連続増、女性が８８％』－厚労省　https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091400395&g=soc）。

人口１０万人当たりにすると５５．０８人、割合にするとわずか０．０５５％である。

これらの数字を見ると、男性９０歳、女性９５歳と見て、老後資金を計算するのが適切のように思われる。

将来の寿命は？

現在の１００歳以上の方の割合はきわめて低く、１００歳まで生きる人ことは依然として難しいように見える。では、将来はどうなのか？

平成２９年簡易生命表には、「（２）特定死因を除去した場合の平均余命の延び」という項目がある。

「ある死因で死亡することがなくなったとすると、その死因によって死亡していた者は、その死亡年齢以後に他の死因で死亡することになる。

その結果、死亡時期が繰り越され、平均余命が延びることになる。

この延びは、その死因のために失われた平均余命としてみることができ、これによって各死因がどの程度平均余命に影響しているかを測ることができる。」

と説明されている。

具体的には、平成２９年の男性の死因別死亡確率は、以下のようになっていた。

	６５歳	７５歳	９０歳
悪性新生物	２８	２５	１５
心疾患（高血圧性除く）	１４	１５	１６
脳血管疾患	８	８	７
肺炎	１０	１１	１４