老後資金不足の心配に対して、別の人気フィナンシャル・プランナーによれば、オーソドックスな必要老後資金の計算方法は、[老後生活費―老齢年金]×老後の期間+イベント費+予備費。しかし、生活費や退職年齢等によって必要額は大きく変わる。人と比較せず、自分の老後生活をしっかりと描くことが必要。
老後のお金について、もう一人の人気フィナンシャル・プランナーの考え方を見てみよう。
(参考
一人目のフィナンシャル・プランナーの考え方
https://mfworks.info/2018/09/09/post-131/ https://mfworks.info/2018/09/22/post-328/
二人目のフィナンシャル・プランナーの考え方
https://mfworks.info/2018/09/27/post-133/ )
八ツ井慶子さんは、2001年からフィナンシャル・プランナーとして活動をスタート、これまでに1000世帯を超える相談実績があるという
(https://allabout.co.jp/gm/gp/1019/)。
“人気FPが提唱!老後資金は「いくら必要か」ではない“という八ツ井さんの記事がある(https://allabout.co.jp/gm/gc/470996/)。
そこには、八ツ井さんの老後資金の考え方が示されている。
<オーソドックスな「老後資金」の計算方法>
[老後生活費―老齢年金]×老後の期間+イベント費+予備費
「年金などもろもろの金額を引くとだいたい3000万円でおさまったり、ある雑誌で老後に必要な資金を算出したときには1000円台後半に落ち着くケースもあったりしました。
家族構成や生活費、リタイヤの年齢など、前提条件しだいで計算結果は大きく変わります。
あまり数値に惑わさないでほしいです。」
「巷でいわれている「老後資金3000万円」も持っていない人が大半ですから、不足分にばかり目がいく。それよりも、「自分の老後資金」を知り、そこから暮らしをイメージするほうが現実的だし前向きです。
MY老後資金を増やしたいと思えば、リタイアの時期をもう少し伸ばそうとか、今の収入を上げるために努力する、
暮らしを見直して支出を引きしめるなど、次の行動に意識が向きます。
人との比較ではなく、
自分だけの老後生活をしっかりと描くことが大事だと思いますよ。」
もう一つ、八ツ井さんの記事を見てみよう。
“「将来年金はもらえない」と過剰に不安がるよりも先にやるべきたった一つのこと“(https://www.businessinsider.jp/post-166132)。
”「老後資金」の不安の主な理由は、2つ。
ひとつは長生きになったこと、
もうひとつは公的年金(老齢年金)に対する不安。
年金財政はひっ迫しているが、すぐに「年金はあてにならない」「もうもらえない」と結論づけてしまうのも早いでしょう。
さきほどの試算では年金の受給期間を20年(85歳までの年金総支給額)としましたが、人生100年時代となったら35年になります。
こうなっては、年金年額を大きく減額するか、支給開始年齢を引き上げないと、財政がさらに悪化してしまいます(今の政府の方針では、保険料は上げないとしています)。”
そして、
「超長寿社会の“生きる技術”とは
老後資金の不安を積極的に回避するには、「長く働くこと」はとても有効だと思うのです。
実際60歳をすぎても働く人は増えていて、いまでは60歳で完全に引退する人にはほとんど会わなくなりました。」と説明している。
上記の
「人との比較ではなく、自分だけの老後生活をしっかりと描くことが大事」に関連した以下の記事もある。
「必要な老後資金」プロに聞くのは“筋違い” (http://president.jp/articles/-/20622)。
その中に以下のような文章がある。
”金融商品選びも含め、「消費」という「お金の使い方」は、その人の行動の表れです。
つまり、生活スタイルが大きく影響するもので、少しオーバーにいえば「生き方」そのものなわけです。
ここを決定づけているのは、どんな理論でも理屈でも法則でもなく、当人のココロです。
統計的な確率は存在しても、目の前の相談者がそれに当てはまるかどうかは別。
絶対的に目の前の相談者の答えは、相談者のココロの中にあるものです。
人に個性があれば、当然に家計にも個性があります。”
「老後資金」の算出方法は、フィナンシャル・プランナーの深田晶恵さんと同じ考え方のようだ。また、金額として例示されている3000万円も同じである。
八ツ井さんは、まず自分の老後資金を知り、老後資金不足を補う方法として、「長く働くこと」を考えること、支出の引き締めは、一般論でなく、自分のライフスタイルにあった形で考えるべきと提唱されている。
1000世帯を超える相談を受けた経験を踏まえた実際的なアドバイスである。
ただ、
家族構成や生活費、リタイヤの年齢などは自分で決められる面があるが、「前提条件しだいで計算結果は大きく変わります」とあるように、
さすがに、人生100年の長き期間を対象とすると、前提条件の設定は難しく、納得できる計算できるのか不安になってしまう。
読んでいただき、ありがとうございます。
最後に1曲、宇多田ヒカルの“Automatic”
1998年12月に発売された宇多田ヒカルのデビューシングルの1曲。
「七回目のベルで受話器を取った君 、名前を言わなくても声ですぐ分かってくれる」の冒頭フレーズが印象的。
20年も前の曲、あっという間に時は過ぎる、同じだけ自分も年を重ねている。
宇多田ヒカル “Automatic”