ある年金生活者の老後資金の心配に対する人気フィナンシャルプランナーの回答は、現在の生活費は年金収入を超えて赤字、しかし、シミュレーションすると、十分な蓄えがあり、100歳まで生きても、不安に思う必要はないと明快。私には計算の根拠が適切かどうか不安に思える。
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老後のお金のことを相談したいと思った時、誰に相談するのがよいのか?
お金の専門家がよいと思った時に思い浮かんだのが、フィナンシャル・プランナー(FP)。
専門家がどう考えるのか知りたくなって、FPの回答を調べてみた。
人気FPの一人、深野康彦さんは、業界歴20年以上のベテランFPとのこと。一般の方からの相談に回答しているのを見つけた。
「お金の悩みを解決!マネープランクリニック」という連載の中に、
「60歳無職。この老後資金で生きられるのはどのくらい?もっちゃんさん(仮名)」
というタイトルの相談があった(https://allabout.co.jp/gm/gc/464092/)。
相談者は男性で60歳の無職、妻も60歳で無職、内容は、「老後が大変に不安です。何歳まで生きることができるでしょうか。事情により、今後働いて収入を得ることはありません。」というものだった。
夫婦の収入と支出の具体的な金額が計算されており、収入は以下のようだった。
60歳~64歳は、年103.4万円(公的年金)、
65歳~75歳は、年402万円(公的年金と個人年金の合計)、
76歳~100歳は、年282万円(公的年金)。
一方の支出は、
月24.6万円、年間で295.2万円。
支出の内訳は、生活費(住宅費、食費、電気ガス水道、通信費、雑費、医療保険)が
月18.6万円で、年間にすると223.2万円、
趣味娯楽費と家族の小遣いとして、別に月6万円、年間72万円。
資産として、
貯蓄4500万円、投資900万円の合計5400万円、一戸建ての持ち家を所有。
FPのアドバイスは3つ、一番のポイントは
「100歳まで生きても資産の目減りは1割以下」という回答。
60歳~64歳の5年間は約1000万円の赤字になり、貯蓄を取り崩すことになる。
しかし、65歳~75歳の間は年間約100万円の黒字、10年間にすると、1068万円の黒字になるので、60歳~64歳の間の赤字を「そっくり取り返したことになるわけです」。
そして、75歳以降はまた赤字になるが、「ご夫婦ともに100歳まで生きたとしても、赤字分の総額は480万円。
5400万円ある手持ち資金(投資商品は変動していないとした場合)は1割も減りません。」という説明がされている。
さすがベテランのフィナンシャル・プランナーの回答、いたずらに不安をあおったりせずに根拠の数字を示しながら、説得力のあるアドバイスだと思いました。
相談者「もっちゃん」さんの感想も、
「いろんなファクターを考慮し、ほとんど神経症の状態で背中に汗をびっしょりかき10年間、夜もろくろく寝られませんでした。
またお金に対して神経質になり株で大損失をしました。
このたび、私の予想が杞憂であることが分かり大いに安心した次第でございます。
アドバイスをよく噛みしめ生活を再考したいと存じます。」
ただ、私には、示された数字を計算する前提条件が気になりました。(続く)
読んでいただき、ありがとうございます。
息抜きに1曲、一青窈さんの「ハナミズキ」
歌詞の中に「君と好きなひとが100年続きますように」のフレーズ。
一青窈 「ハナミズキ」